通院と節約生活、うつ休職中でも無理なく続けられるのか、当事者が感じたこと

うつで休職中、通院しながら節約生活を送ることは、健康なときと比べてずっとエネルギーがかかります。「体調が悪い日でも病院には行けている」「でも疲れると出来合いのものを買ってしまって、自己嫌悪に陥ることがある」。そんな揺れる気持ちを、同じ当事者目線でできるだけ丁寧に書いてみたいと思います。この記事は、筆者個人の体験と考えをまとめたものであり、医療や制度に関する専門的な助言ではありません。あくまで一つの体験談として読んでいただければ幸いです。

通院と節約生活を両立するのが難しいと感じる理由

休職中の生活は、傍から見れば「時間がある」ように見えるかもしれません。しかし、うつの状態では、時間があることと、その時間を有効に使えることはまったく別の話です。朝、布団から出るだけで精一杯という日が続くこともあります。そんな状態で通院を続け、さらに節約のことまで考えようとすると、頭の中がパンクしそうになることがあります。

まず、通院そのものについてです。病院に行くためには、予約を確認し、身支度をして、交通機関を使って移動し、待合室で待ち、診察を受けて帰ってくる、という一連の行動が必要です。これは健康な状態であれば何でもない流れですが、うつで休職中の身には、それぞれのステップが重くのしかかることがあります。「今日は動けないかもしれない」と感じながらも、なんとか通院できたとき、その達成感は小さくありません。自分を責めるのではなく、まず「行けた」という事実を大切にしてほしいと思います。

次に、節約生活との関係です。収入が減った状態での休職中は、支出を抑えたいという気持ちが自然に生まれます。しかし、体が動かない日や、精神的に消耗しているときに「今日は自炊しよう」と頑張ることは、かえって回復の妨げになることもあります。スーパーに行って食材を選び、帰宅して調理して、後片付けまでする。これもまた、うつの状態では相当な体力と気力を必要とする行動です。

疲れ果てた日にお弁当や出来合いのものを買うことは、失敗でも怠慢でもありません。その日の自分に必要な選択をした、ということです。節約と体調管理は、どちらも大切ですが、優先順位をつけるとしたら、まず体と心の状態を最優先にするべきだと、筆者は自分の体験から強く感じています。

通院と節約生活が難しく感じられる背景には、「こうあるべき」という思い込みも影響していることがあります。「休職中なのだから節約しなければ」「体調が悪くても通院だけは欠かさないようにしなければ」。そういった内なる声が、余計な疲労を生み出すこともあります。まずはその「ねばならない」という感覚を少し手放すことが、長く続けるための土台になると感じています。

通院と節約生活をゆるく続けるための工夫と心がまえ

では実際に、どのようにして通院と節約生活を無理なく続けているのか、筆者の体験をもとに書いていきます。繰り返しになりますが、これはあくまで個人の実感であり、すべての人に当てはまるものではありません。自分の体調や状況に合わせて、使えそうな部分だけ取り入れていただければと思います。

通院を「続ける」ことに集中する

筆者が通院についてもっとも意識していることは、「完璧に準備して行く」ことよりも「とにかく行く」ことです。化粧や服装が完璧でなくても、前日によく眠れなかった日でも、なんとか病院に足を運ぶことを目標にしています。主治医との診察の時間は、自分の状態を言葉にする数少ない機会であり、薬の調整や治療方針を確認するためにも欠かせません。

通院が辛く感じるときの工夫として、筆者がしていることをいくつか挙げます。

  • 通院の前日に、翌日着ていく服と持ち物を決めておく。当日の判断コストを減らすためです。
  • 診察で話したいことを、前日か当日の朝に短くメモしておく。頭が働かないときでも、メモを読み上げるだけで診察が進められます。
  • 通院後は、できれば予定を入れずにゆっくり休む時間を確保する。病院から帰ると予想以上に疲れていることがあるためです。
  • 「行けなかった」ではなく「行けた」を数える。通院を続けられていること自体が、一つの積み重ねです。

もし通院自体が辛くて続けられないと感じたときは、主治医や病院のスタッフに正直に伝えることが大切です。「通うこと自体がしんどい」という気持ちは、診察で話すべき大切な情報の一つです。診察の頻度を変えてもらったり、相談窓口を紹介してもらったりと、何らかの対応をしてもらえることがあります。一人で抱え込まず、主治医や専門機関に頼ってください。

節約は「できる日だけやる」でいい

節約生活についても、筆者は「できる日だけやる」というスタンスを基本にしています。体調が比較的良い日は、スーパーで食材を買ってなるべく自炊するようにします。一方、疲れている日やどうしても外出が難しい日は、お弁当や惣菜を買うことを自分に許可しています。

「今日も節約できなかった」と自分を責める必要はまったくありません。節約は目的ではなく手段であり、その手段を使えない日があっても、人としての価値は何も変わりません。むしろ、疲れているのに無理をして料理をして、さらに体調を崩してしまう方が、長い目で見ると出費も増え、回復も遅れることがあります。

筆者が無理のない範囲でしている節約の工夫を紹介します。これも個人の体験であり、参考程度にとどめてください。

  • スーパーに行ける日は、まとめ買いをして冷凍保存できる食材を選ぶ。一度の買い物で数日分を賄えると、体調が悪い日の助けになります。
  • お弁当や惣菜を買うときも、少しでも割引のものや量の多いものを選ぶ程度の工夫はする。完璧な節約でなくても、小さな選択の積み重ねは意味があります。
  • 食費以外の出費として、サブスクリプション(定額制のサービス)を定期的に見直す。使っていないものが残っていることがあり、解約するだけで支出が下がることがあります。
  • 支出の記録は、細かく毎日つけるよりも、週に一度まとめて確認する程度にする。日々の記録が義務になると、それ自体がストレスになることがあるためです。
  • 公共料金の自動引き落とし設定や、固定費の見直しは、体調が比較的良い日に一度だけ集中して行う。毎日考えなくてよい仕組みを作ることが、精神的な楽さにつながります。

節約に関して、家族に一部を任せられる場合は、そうすることも一つの方法です。たとえば、家計の管理を家族と共有したり、まとめ買いの買い物を頼めるときは頼んだりすることは、節約の継続にも体調の管理にも役立つことがあります。ただし、これは一般的な選択肢として挙げているものであり、家族の状況や関係性によって判断してください。

「完璧にしない」という選択が節約を長続きさせる

節約に取り組む際に、筆者がもっとも大切にしていることは「完璧を目指さない」という姿勢です。家計管理や節約の方法を調べると、細かなレシートの管理や厳密な予算配分など、しっかりした方法がたくさん出てきます。健康な状態であればそういったやり方を試すのも良いでしょうが、休職中でうつの状態にある今は、まずは「ゆるく続けること」が最優先だと感じています。

たとえば、今月の食費が予算を少しオーバーしても、それはそれとして受け入れる。次の週に少し調整できれば十分で、過去の出費を悔やんでも体調が良くなるわけではありません。自分に対して、少しだけ寛容でいることが、長続きの秘訣だと思っています。

また、節約の目的を「豊かな将来のため」などの大きな目標に結びつけすぎると、体調が悪いときに「何も達成できていない」という気持ちになりやすいです。今の目標を小さく設定することで、少しの成功体験を積み重ねることができます。「今日はスーパーで買い物ができた」「今週は予算内に収まった」という小さな達成感が、次の一歩を踏み出す力になります。

休職中の経済的な不安については、社会保険や公的な支援制度(傷病手当金など)を活用できる場合があります。制度の詳細は専門家や公的な窓口に確認することをおすすめします。職場の担当部署や、社会保険労務士、自治体の相談窓口などが頼れる先として挙げられます。困ったときは一人で抱え込まずに、使えるサポートを遠慮なく頼ることが大切です。

通院と節約生活を支える「自分を責めない」という土台

ここまで、通院と節約生活の具体的な工夫について書いてきましたが、どんな工夫よりも根本的に大切だと感じることがあります。それは、「できない日の自分を責めない」という姿勢です。

うつで休職中の状態では、自己批判が強くなりやすいといわれています。「また今日も何もできなかった」「節約できなかった」「こんな自分ではいけない」という考えが、頭の中を何度も回ることがあります。しかし、そういった思考のループ自体も、うつの症状の一部である可能性があります。自己批判が強まっていると感じたときは、主治医にそのことを伝えてみてください。

筆者自身も、出来合いのものを買ってしまった日や、通院以外ほとんど何もできなかった日に、「今日も節約できなかった」「何もしていない」という気持ちになることがあります。でも、少し時間が経ってから振り返ると、「通院に行けた」「今日食べるものを確保した」「休めた」という事実があり、それだけでも十分だったと感じることができます。

「今日できたこと」を一つでも見つけることが、自分を責めるよりもずっと大切です。それがどんなに小さなことでも構いません。布団から出られた、水を飲んだ、日光を少し浴びた。どれも、回復に向かっている体と心を支えている行動です。

節約生活についても同じことが言えます。完璧な節約ができている日だけが良い日ではありません。今日の自分に合った選択をした日が、良い日です。お弁当を買った日も、スーパーで安い食材を選んで自炊した日も、それぞれ「今の自分にできること」をした日として、同じように受け入れてほしいと思います。

もしも気持ちがとても辛いとき、特に「消えてしまいたい」「生きていたくない」という気持ちが浮かぶときは、一人で抱えず、すぐに主治医か専門の相談機関に連絡してください。自治体や国が設けている相談窓口、よりそいホットラインなどの電話相談サービスも利用できます。あなたが助けを求めることは、正しいことです。

日常の小さなリズムを守ることが、心の支えになる

通院と節約生活を続ける上で、筆者が意外と助けられていると感じているのは「小さな日常のリズム」です。たとえば、週に一度スーパーに行く曜日をおおまかに決めておく。通院の日の前日は早めに休む。これだけでも、体が少し「次のことを知っている」状態になり、行動のハードルが下がる感覚があります。

リズムを作るといっても、厳格なスケジュールを守ることではありません。体調によって変わって当然で、変えても構いません。「だいたいこのくらい」という緩やかな流れがあるだけで、毎日ゼロから考えなくて済む分、気力の消耗を抑えることができます。完璧な計画より、ゆるいルーティンの方が、うつの状態では続けやすいと感じています。

買い物ひとつ取っても、「今日は行けそうか、どうか」を毎日判断するより、「週の前半に一度行けたら行く」というくらいの感覚で考える方が、精神的な負担が少ないです。行けなかった週があっても、それはそれ。次の週にまた考えればいい、という気持ちでいることが、長続きの秘訣だと思っています。

通院と節約生活、ゆるく続けていくためのまとめ

この記事では、うつで休職中の当事者として、通院と節約生活についての体験と考えを書いてきました。改めて大切にしてほしいことをまとめます。

まず、通院を続けることはそれだけで大切な一歩です。完璧な状態で行けなくても、なんとか病院にたどり着けたこと、それ自体を自分でねぎらってください。診察の場は、体調の変化や困っていることを主治医に伝える大切な機会です。通院そのものが辛いと感じたときも、そのことを主治医に話してみてください。

節約生活については、「できる日だけやる」「完璧にしない」というスタンスが、長く続けるための土台になります。体調が悪い日に出来合いのものを買うことは、自分への投資であり、回復のための選択です。それを「失敗」と捉える必要はまったくありません。

通院と節約生活は、どちらも「今の自分にできる範囲でいい」という大前提のもとで続けていくものです。完璧を求めると、うまくいかない日に自己批判が強まり、かえって回復の妨げになることがあります。ゆるく、やさしく、自分のペースで続けていくことが、今の自分に必要なことだと筆者は信じています。

経済的な不安があるときは、傷病手当金などの公的な支援制度についても、職場の担当者や公的な相談窓口に問い合わせてみることをおすすめします。気持ちが非常に辛いときは、主治医や専門の相談窓口にすぐに頼ってください。あなたは一人ではありません。今日も、できることをしている自分を、どうかそっと認めてあげてください。

この記事は筆者個人の体験と考えに基づくものであり、医療上の助言や制度の専門的な案内を目的としたものではありません。治療や制度の利用については、必ず主治医や専門の機関にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました