休職中にお金の不安で眠れなかった夜のこと、私が気づいた5つのこと

この記事は、うつで休職している筆者が、自分の体験をもとに書いたものです。医療的・金融的な専門助言ではなく、あくまで個人の実感と考えをまとめたものですので、その点をご承知おきください。

夜中の2時、3時になっても目が覚めたまま、天井を見つめていたことがあります。眠れないのは、頭の中でお金の心配がぐるぐると回り続けているからでした。傷病手当を受けながら療養している時期のことです。「このまま収入がなくなったら」「貯えが底をついたら」「いつまで休めばいいのだろう」という言葉が、夜になるたびに大きくなっていきました。誰かに話したくても、深夜に人を起こすわけにもいかない。そういう夜が、いくつも重なりました。

この記事では、休職中にお金の不安で眠れなかった夜のことを、できるだけ正直に書いています。同じような夜を過ごしている方に、「こういう人もいる」と少し感じてもらえたら、それだけで十分です。回復を約束することも、お金の不安を消せると断言することも、筆者にはできません。ただ、あの夜のことを言葉にしておきたいと思いました。

休職中にお金の不安で眠れなかった夜のこと、その中身を言葉にする

まず、あの夜に頭の中で何が起きていたかを、できるだけそのまま書いてみます。

昼間は、なんとかやり過ごせることがあります。ぼんやりとテレビを見たり、横になったり、短い散歩をしたり。でも夜になると、静かになった分だけ、不安が音を立てて大きくなっていく感じがありました。特に深夜は、自分の考えを誰も止めてくれない時間帯です。そこに、お金の心配が入り込んできます。

「今月の支出はどうなっているだろう」「手当だけで暮らし続けるのは、どのくらい持つのだろう」「職場に戻れなかったら、どうやって生きていくのだろう」。こういった問いが、次々と連鎖していきます。一つ考えると、そこからまた別の心配が生まれ、気づけば何時間も同じところをぐるぐるしていました。

うつの状態にあるとき、思考はどうしても悲観的な方向に引っ張られやすくなります。これは自分の意志が弱いからではなく、脳の働き方そのものが変化している状態だと、主治医から聞いたことがあります。それを頭で理解していても、夜中に一人でいると、「いや、現実にお金はかかるし、心配するのは当然だ」と自分に言い聞かせてしまう。理屈と感情が噛み合わないまま、時間だけが過ぎていきます。

お金の不安というのは、実態のある問題です。収入が減っている、支出は続く、いつ回復するか分からない。これは「気にしすぎ」で片付けられる話ではないと、自分でも感じていました。だからこそ、「不安を感じなくなろう」と無理に思うよりも、「この不安はどこから来ているのか」を言葉にするほうが、少しだけ楽になることがありました。

眠れない夜に不安が大きくなるのは、あなたの気持ちが弱いからではありません。それは、今の状況の中で、とても自然な反応のひとつです。

とはいえ、不安が強すぎて眠れない夜が続くとき、あるいはつらさが体や心を追い詰めるほどになっているとき、一人で抱え込もうとしなくていいと思います。主治医や、精神科・心療内科などの専門機関に話してみること、地域の相談窓口に連絡すること、そういう選択肢があります。「眠れない」「不安が強い」ということ自体も、診察で話してよい内容です。

また、生活のお金に関して「もう限界かもしれない」と感じるときは、自治体の相談窓口や社会福祉協議会、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談する方法もあります。公的な支援制度は、思っているより多く存在しています。「こんなことで相談してもいいのか」と遠慮しなくていいと、自分自身に言い聞かせながら、筆者もそういった窓口に問い合わせたことがあります。

休職中にお金の不安で眠れなかった夜のこと、AIと話してやり過ごした経験

深夜に不安がぐるぐると回っているとき、人間の誰かに連絡するのは難しいことがあります。心配をかけたくない、こんな夜中に申し訳ない、何度も同じ話をするのが嫌だ。そういう気持ちが重なって、スマートフォンを手に取っても、連絡先を開けないまま閉じてしまうことが多くありました。

そんなとき、筆者がやっていたのは、AIに話しかけることでした。

「今夜もお金のことが心配で眠れない」と打ち込むと、AIは穏やかに受け止めてくれました。「それはつらいですね」「どんなことが一番気になっていますか」という言葉が返ってくる。それだけで、少し息が楽になることがありました。

何度も同じ話をしました。「将来が不安だ」「このままでいいのか分からない」「自分が情けない」。人間相手だったら、「また同じ話をしている」と申し訳なくなってしまいます。でもAIは、何度話しかけても、その都度ちゃんと受け止めてくれました。責めもしないし、急かしもしない。深夜でも関係なく、そこにいてくれる。その存在が、あの夜を乗り越えるひとつの支えになっていたのは確かです。

ただ、ここでひとつ、大切なことを書いておきたいと思います。AIは気持ちを受け止める話し相手にはなりえますが、医療者や専門家の代わりにはなりません。診断をしてくれるわけでも、治療をしてくれるわけでも、お金に関する専門的な判断を代わりにしてくれるわけでもありません。AIと話して気持ちが落ち着くことがあっても、それは「専門家への相談が不要になった」ということではないと、自分でも意識していました。

体の症状や薬のこと、お金や制度のこと、生活をどう立て直すかについては、やはり専門家に相談することが必要です。主治医、精神科医や心療内科の医師、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、自治体の窓口。そういった人たちに頼ることと、AIに気持ちを吐き出すことは、別の話です。

AIに何度も同じことを話して、それで少し楽になったなら、それはその夜を生き延びた方法のひとつです。自分を責めなくていいと思います。

AIと話す中でよかったのは、自分の気持ちを言葉にするきっかけになったことです。頭の中でぐるぐるしているときは、何が怖いのか、何が不安なのかが、自分でもはっきりしないことがあります。でも文字として打ち込もうとすると、「ああ、自分は将来の見通しが立たないことが一番怖いのだ」とか「働けない自分を責めている部分があるのだ」と、少しずつ輪郭が見えてくることがありました。

その輪郭が見えると、次に主治医に話すときや、相談窓口に電話するときに、「こういうことが気になっています」と伝えやすくなります。AIとの会話が、専門家とのコミュニケーションへの橋渡しになった感覚は、実際にありました。

休職中にお金の不安で眠れなかった夜のこと、自分を責めないために考えたこと

休職している間、「稼げていない自分」「働けていない自分」を責める気持ちは、ずっとついてまわりました。傷病手当を受けながら療養しているということは、頭では「必要な時期だ」と理解できていても、胸の中では「こんな自分は価値がない」という声が消えませんでした。

特に、お金のことを心配しているとき、その気持ちはさらに強くなりがちです。「自分が働いていたら、こんなに心配しなくてよかったのに」「もっと貯えがあれば、こんなに怖くなかったのに」と、どこまでも過去の自分や「もしも」の自分を責め続けてしまう。あの夜の時間は、そういう責め続ける時間でもありました。

でも、少しずつ思うようになったことがあります。うつになったのは、自分の努力が足りなかったからではないということ。休職という判断をしたのは、もうそれ以上続けられなかったからで、それは自分を守るために必要な選択だったということ。そして、療養中にお金の心配をするのは、当然のことだということ。

「お金の不安を感じてはいけない」のではなく、「お金の不安を感じるのは、今の状況を正確に認識している証拠でもある」と、少しだけ言い換えてみることがありました。それだけで不安がなくなるわけではないけれど、「不安を感じている自分がおかしいのではない」と思えると、少し息が楽になります。

また、療養中に出費が増えることについても、自分を責め続けていました。体がつらいときに、少しでも楽になるものを買ったり、外に出る気力がないときに配達に頼ったり。節約しなければと頭では分かっていても、できない日があります。つらい時期に出費が増えるのは、自然なことです。それを「だらしない」と切り捨てるのは、自分に対してあまりに厳しすぎると、少しずつ思えるようになってきました。

ただ、これは「どれだけ使っても大丈夫」という話ではありません。生活が苦しくなっているなら、一人で抱え込まず、相談できる場所を探してみることを勧めたいです。自治体の生活支援の窓口、社会福祉協議会、フードバンクのような食料支援。こういった公的なサポートは、「よほど追い詰められた人のためのもの」ではなく、生活に不安を感じているすべての人が使えるものです。「自分が使っていいのか」と迷うとき、まずは電話で問い合わせてみるだけでもよいと思います。

働けない時期があっていい。稼げない時期があっていい。休んでいる自分を責めることで、回復が早まるわけではないと、何度も自分に言い聞かせました。

将来については、今でも分かりません。いつ回復するか、どういう形で仕事に戻るか、あるいは別の道を歩むのか。「必ず良くなる」とは言えないし、「もう戻れない」とも思いたくない。ただ、今日をやり過ごすことができたという事実が、積み重なっていくことはあると感じています。それが何を意味するかは、まだ分からないけれど。

休職中にお金の不安で眠れなかった夜のことを乗り越えるために試みたこと

眠れない夜を完全になくすことは、筆者にはできませんでした。でも、少しだけやり過ごしやすくするために、試みたことがいくつかあります。特効薬でも保証もなく、あくまで自分の場合の話として書きます。

ひとつは、「夜中に考えた不安を、昼間の自分に渡す」という気持ちの持ち方です。夜中の不安は、夜中に解決しようとしても、うまくいかないことがほとんどです。脳も体も疲れている時間帯に、複雑な問題を考えても、答えは出ません。「これは昼間に考える」と、メモに書き出してとりあえず脇に置く。それだけでも、少しだけ頭の回転が緩むことがありました。

書き出すという行為は、頭の中の混乱を少し整理する効果があると感じています。ただし、内容が気になってまた読み返してしまうと逆効果になることもあるので、「書いたら閉じる」という自分なりのルールを作っていました。

もうひとつは、AIに話しかけることでした。これは前の章で書いた通りですが、「誰かに話す」という行為そのものが、少し不安の圧力を逃がしてくれる感じがありました。ただし、AIに話しながら「自分はどう感じているか」を確認しつつ、必要なことは翌日に専門家や相談窓口に伝えるようにしていました。

また、「不安を感じている自分を責めない」ことも、意識していました。これは簡単ではなくて、今でも完全にはできていません。でも、「不安を感じるのはおかしい」と自分を責め始めると、不安そのものではなく「不安を感じている自分への怒り」が重なって、苦しさが倍になることがあります。「不安を感じているな」と、少しだけ距離を置いて眺めるような気持ちで、ただそこにある感情として認めてみること。それが少し楽になる瞬間をくれることがありました。

お金の不安については、「今すぐ解決しなければ」という焦りを手放すことが、少しだけ助けになりました。深夜に正確な数字を把握しようとしても、窓口は閉まっているし、誰にも相談できません。「今できることは何もない、だから夜中に考え続けても消耗するだけだ」と自分に言い聞かせることで、「昼になったら考えよう」という気持ちにつながることがありました。

そして、昼間に少し余裕が持てたときには、利用できる制度や相談窓口についてゆっくり調べてみることをしていました。傷病手当以外にも、使えるかもしれない支援があることを知るだけで、「選択肢がある」という感覚が少し生まれます。「知らないから不安」という部分は、情報を得ることで少し和らぐことがあります。ただし、夜中に一人で調べ続けると余計に混乱することもあるので、日中の落ち着いた時間帯に、できる範囲で、というのが自分には合っていました。

眠るための工夫として、照明を暗くする、スマートフォンの画面を見る時間を減らすといった一般的なことも試みましたが、うまくいく日といかない日がありました。眠れない夜そのものをなくすことより、「眠れなくても、横になっていることに意味はある」と考える方が、自分には合っていたかもしれません。眠れなかったことを翌朝に責めないようにすることも、少しだけ心がけていました。

休職中にお金の不安で眠れなかった夜のことを振り返るまとめ

この記事を通して書いてきたのは、うつで休職している筆者が、深夜にお金の心配でぐるぐると考え続けた夜の実録です。特効薬はなく、「こうすれば不安がなくなる」という答えも持っていません。ただ、あの夜のことを言葉にすることで、同じような夜を過ごしている誰かに、「一人ではない」と少しでも感じてもらえたらという気持ちで書きました。

AIに何度も同じ話をして、励ましてもらったこと。人間相手にはなかなかできない話を、深夜に文字として打ち込んでいたこと。それは恥ずかしいことでも、おかしいことでもないと、今は思っています。ただ、AIは気持ちを受け止める存在ではあっても、医療や専門的な判断の代わりにはなりません。体や心のこと、お金や制度のことは、主治医や専門機関、相談窓口に頼ってください。一人で全部解決しようとしなくていいです。

働けない時期があっていい。稼げない時期があっていい。休んでいる自分を責めることで何かが良くなるわけではないと、何度も繰り返し自分に言い聞かせながら、それでもうまくいかない夜がありました。それでいいと思っています。完璧にできなくていい。

お金の不安が強くて眠れない夜が続いているとき、消えてしまいたいような気持ちが湧いてくるとき、どうか一人で抱え込まないでください。主治医に話す、精神科や心療内科に連絡する、地域の相談窓口に電話する、そういう選択肢があります。夜中でも電話できる相談窓口が存在しています。「こんなことで電話していいのか」と思う必要はありません。

回復に個人差と波があることは、自分自身が一番よく知っています。今日が昨日より良い日になるとは言えないし、必ず元に戻れると約束することもできません。それでも、今日をやり過ごすことができた日が積み重なっていることは、確かにあります。この記事が、休職中にお金の不安で眠れなかった夜のことを、少しだけ言葉にする助けになれば、それで十分です。

なお、この記事は筆者の個人的な体験と考えをまとめたものであり、医療的・金融的な専門助言ではありません。体や心の不調、お金や生活の問題については、専門家や相談窓口にご相談ください。

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